令和6年度報酬改定で基本報酬の算定方法が大幅変更!

業界ニュース

障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)をもとに運営される障害福祉サービスは、障害者の生活や就労への支援ニーズを踏まえて3年に1度、法改正が行われます。

先日、令和6年4月からどのような点が改定されるのか、詳しく見ていきましたが、その最新として、令和6年2月6日(火)に報酬改定の概要が厚生労働省の障害福祉サービス等報酬改定検討チームより、「基本報酬」の算定方法が大幅に変更されることが発表されました。

今回は「基本報酬」がどのように変わったのか、詳しく見ていきたいと思います。

法改正

 

■基本報酬の見直し

グループホーム報酬改定で人員配置加算が新設 – 世話人配置による区分は廃止

グループホーム報酬の改定により、従来の世話人配置数に応じた基本報酬の区分が廃止されます。代わりに、手厚い人員配置は新設の「人員配置体制加算」で評価されることになりました。

【現行制度】(介護サービス包括型の例)

共同生活援助サービス費(Ⅰ)

世話人の配置 4:1以上

共同生活援助サービス費(Ⅱ)

世話人の配置 5:1以上

共同生活援助サービス費(Ⅲ)

世話人の配置 6:1以上

共同生活援助サービス費(Ⅳ)

体験利用

【改定後】(介護サービス包括型の例)

共同生活援助サービス費(Ⅰ)

世話人の配置 6:1以上

共同生活援助サービス費(Ⅱ)

体験利用

その他の主な改定点は以下の通りです。

  • 障害支援区分ごとの基本報酬が、支援内容や経営実態を踏まえて見直される
  • 一人暮らしや夫婦での暮らしを支える「退居後の支援」に対する基本報酬が新設
  • 居宅サービスを8時間以上利用する場合、基本報酬が5%減算

参照:厚生労働省 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(案)

 

報酬改定後の基本報酬の単位数

介護サービス包括型の基本報酬

 ● 共同生活援助サービス費(Ⅰ)(6:1)

障害支援区分

現行

見直し後

(1)区分6

583単位/日

600単位/日

(2)区分5

467単位/日

456単位/日

(3)区分4

387単位/日

372単位/日

(4)区分3

298単位/日

297単位/日

(5)区分2

209単位/日

188単位/日

(6)区分1以下

170単位/日

171単位/日

 

日中サービス支援型の基本報酬

● 日中サービス支援型共同生活援助サービス費(Ⅰ)(5:1)

障害支援区分

現行

見直し後

(1)区分6

969単位/日

997単位/日

(2)区分5

852単位/日

860単位/日

(3)区分4

770単位/日

771単位/日

(4)区分3

528単位/日

524単位/日

参照:厚生労働省 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(案)

 

■人員配置体制加算

グループホーム人員配置体制加算新設 – 手厚い人員配置を適正に評価

2024年の障害福祉サービス等報酬改定で、グループホームの「人員配置体制加算」が新設されました。この加算は、世話人や生活支援員の手厚い配置を適正に評価するために設けられたものです。

【人員配置体制加算のポイント】

  • 従来の基本報酬での評価から変更

従来は、世話人・生活支援員の配置数に応じて基本報酬が区分されていましたが、今回の改定で基本報酬での評価はなくなり、新設の加算で評価されることになりました。

  • 基準を上回る配置で加算が算定可能

世話人・生活支援員を、基準以上に手厚く配置すれば、この加算を算定できます。配置数は「特定従業者数換算方法」で算出します。

  • 「特定従業者数換算方法」とは?

従業者の勤務延べ時間数を「週40時間」で割る換算方法です。

これにより事業所間の公平性を担保しつつ、実態の配置時間に応じた適正な評価が可能となります。

通常の常勤換算方法は、従業員の勤務延べ時間数を「事業所が定める常勤の所定労働時間数」で割って換算しますが、「特定従業者数換算方法」は一律40時間で割ることで、利用者に手厚いサービスを提供するインセンティブが働くことが期待されています。障がい者支援の質の維持・向上につながる重要な改定です。

 

介護サービス包括型

加算の区分

加配状況

障害支援区分

単位数

(Ⅰ)

12:1

4以上

83単位/日

3以下

77単位/日

(Ⅱ)

30:1

4以上

33単位/日

3以下

31単位/日

(Ⅲ)

12:1、個人単位特例 

84単位/日

(Ⅳ)

30:1、個人単位特例

33単位/日

日中サービス支援型

加算の区分

加配状況

障害支援区分

単位数

(Ⅴ)

7.5:1

4以上

138単位/日

3

121単位/日

(Ⅵ)

20:1

4以上

53単位/日

3

45単位/日

(Ⅶ)

7.5:1、日中住居以外

4以上

131単位/日

3以下

112単位/日

(Ⅷ)

20:1、日中住居以外

4以上

50単位/日

3以下

42単位/日

(Ⅸ)

7.5:1、個人単位特例

134単位/日

(Ⅹ)

20:1、個人単位特例

50単位/日

(Ⅺ)

7.5:1、個人単位特例、日中住居以外

128単位/日

(Ⅻ)

20:1、個人単位特例、日中住居以外

49単位/日

 

■いつから適用される?

新たな基本報酬は令和6年4⽉適用開始です。

詳しくは、指定権者からの連絡をご確認ください。

 

■まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は算定方法が大幅に変更される「基本報酬」について詳しく見てきました。

障害福祉事業を運営する際に、収入の中で一番重要となってくる「基本報酬」まで、今回の報酬改定で大幅に変更されてくることがわかります。利用者のニーズや事業所のあり方によって、常に変わり続けていく事業ですので、いつでも変化に適応していけるよう情報収集を怠らずに、柔軟に対応できる体制を整えておきましょう。

 

また、しょーあっぷではそんな報酬改定に関するシステム変更を無料でアップデート、反映させております。気になる方や、報酬改定の際の手間を減らしたい、等、ございましたら、まずは下記よりお問い合わせいただけたらと思います!バタバタでの対応とならないよう、早めのご検討をお勧めいたします。

 

運営/請求ソフトのしょーあっぷへの問い合わせはこちら