加算コラム第4弾!!~入院時支援特別加算・長期入院時支援特別加算~

コラムそのほか

報酬を増やす方法、それは、、、、

「加算」を取得することです!!

多くの加算がある中で、事業所としてどんな加算を取得することができるのか、取得するための要件や、ポイントは?

今回は、加算コラム第1~3弾に引き続き、第4弾として、共同生活援助(グループホーム)の利用者の中で入院する可能性のある方が入居されている場合には、必ず確認しておくべき加算、「入院時支援特別加算・長期入院時支援特別加算」に注目して解説していきます!!

 

 

■入院時支援特別加算・長期入院時支援特別加算とは?入院

共同生活援助(グループホーム)の利用者が入院した際、一定の支援を実施した場合に算定することができる加算です。

・入院時支援特別加算(イ)561単位・・・入院期間の日数の合計が3日以上7日未満、月に1回算定

・入院時支援特別加算(ロ)1,122単位・・・入院期間の日数の合計が7日以上、月に1回算定

・長期入院時支援特別加算(イ)122単位・・・介護サービス包括型、3日目から日ごとに算定

・長期入院時支援特別加算(ロ)150単位・・・日中サービス支援型、3日目から日ごとに算定

・長期入院時支援特別加算(ハ)76単位・・・外部サービス利用型、3日目から日ごとに算定

 

※単価表参照:厚生労働省p.38~ https://www.mhlw.go.jp/content/000759623.pdf

 

 

■どんな要件を満たせば取得できるの?

【共通要件】

① 家族等が入院支援をすることが困難であること

② あらかじめ個別支援計画に位置付けていること(具体的に、その利用者が単身であることや家族等が遠隔地に居住している場合に支援を受けることが困難であることを記載する。)

③ 共同生活援助の従業員が病院を訪問し、衣服の準備等、相談支援、連絡調整を行うこと

④ 入院日時、入退院の手続き、家族への連絡調整や相談支援内容の記録の整備を行うこと

 

共通要件①加算算定方法訪問

事前の届け出が不要な加算です。

ただし、個別支援計画に基づき、事業所の従業員が病院又は診療所を訪問し、入院期間中の被服等の準備や利用者の相談支援など、日常生活上の支援を行うとともに、退院後の円滑な生活移行が可能となるよう、病院又は診療所との連絡調整を行い、その支援内容を記録しておく必要があります。

【訪問頻度】

・入院期間が7日未満なら1回以上

・7日以上なら2回以上(7日に1回以上の訪問を目安とする)

 

共通要件②入院期間のカウント方法

月に入院期間が2日以内だと、これらの加算の算定はできません。

入院期間については、入院初日と退院日(最終日)を除いてカウントします。

入院初日と退院日(最終日)を入院期間にカウントされないことは、事業所にとって不利なことなのでしょうか?

実は、そうではありません。入院初日と退院日(最終日)に関しては、共同生活援助(グループホーム)で過ごしている場合、基本報酬の算定が可能です。基本報酬を算定したほうが、加算単位よりも報酬がも大きくなるので事業所としても基本報酬が多く算定されたほうがいいですよね。

 

 

【各加算の要件】

入院時支援特別加算(イ)

期 間:入院期間の日数の合計が3日以上7日未満の場合

単位数:561単位/月

備 考:入院期間が2か月にまたがる場合、それぞれの月ごとで入院期間を見る。それぞれの月で見た場合に、入院日数の合計が3日に満たない場合は、その月は算定できない。

 

(例)7月27日に入院➡入院期間7月28日~8月2日➡8月3日に退院

7月27日と8月3日は、入退院日となるので、入院期間とはカウントしない。

【7月】28日~31日まで、4日間が入院期間となるため、入院時支援特別加算(イ)は算定可能

【8月】1日~2日まで、2日間が入院期間となるため、入院時支援特別加算(イ)は算定不可

 

入院時支援特別加算(ロ)

期 間:入院期間の日数の合計が7日以上の場合

単位数:1,122単位/月

備 考:入院期間が2か月にまたがる場合、それぞれの月ごとで入院期間を見る。それぞれの月で見た場合に、入院日数の合計が3日に満たない場合は、その月は算定できない。

 

(例)8月30日に入院➡入院期間8月31日~9月7日➡9月8日に退院

8月30日と9月8日は、入退院日となるので、入院期間とはカウントしない。

【8月】31日のみが入院期間となるので、入院時支援特別加算(ロ)は算定不可

【9月】1日~7日までの、7日間が入院期間となるので、入院時支援特別加算(ロ)は算定可能

 

長期入院時支援特別加算(イ)~(ハ)

期 間:入院した初日から連続した期間で、最大3か月間までが算定可能

単位数:(イ)122単位/日 (ロ)150単位/日 (ハ)76単位/日

備 考:月をまたがる入院の場合、各月の入院期間のうち、2日間は算定しない

 

(例)7月1日に入院➡入院期間7月2日~10月4日➡10月5日に退院

7月1日と10月5日は、入退院日となるので、入院期間とはカウントしない。

【7月】2日~31日までが入院期間となり、最初の2日間はカウントしないため、4日~31日の28日間で長期入院時支援特別加算を算定可能

【8月】1日~31日までが入院期間となり、最初の2日間はカウントしないため、3日~31日の29日間で長期入院時支援特別加算を算定可能

【9月】1日~30日までが入院期間となり、最初の2日間はカウントしないため、3日~30日の28日間で長期入院時支援特別加算を算定可能

【10月】1日~4日までが入院期間となるが、長期入院時支援特別加算は最大3か月までしか算定できないため、10月は算定不可

 

 

■入院時支援特別加算・長期入院時支援特別加算を取得する際に気を付けることは?

体験時に入院した場合に、この加算を算定することは不可となります。

また、入院時支援特別加算・長期入院時支援特別加算は、同時に取得することはできません。支援内容としては、大きく差がありませんので、どちらの加算を取得するべきかは、加算単位を比較して検討していくといいでしょう。

入院期間 入院時支援特別加算で算定した場合 長期入院時特別加算(イ)で算定した場合 長期入院時特別加算(ロ)で算定した場合 長期入院時特別加算(ハ)で算定した場合
3日間 561 122 150 76
4日間 561 244 300 152
5日間 561 366 450 228
6日間 561 488 600 304
7日間 1122 610 750 380
8日間 1122 732 900 456
9日間 1122 854 1050 532
10日間 1122 976 1200 608
11日間 1122 1,098 1350 684
12日間 1122 1,220 1500 760

 

 

■入院時支援特別加算・長期入院時支援特別加算についてのQ&A

Q1:長期入院時支援特別加算については、1週間に1回以上入院先を訪問することが算定要件となっているが、本加算が算定されるまでの日(注)に入院先を訪問しても加算の対象になると考えてよいか。(注)共同生活援助は各月の入院期間の2日目までの間。

A1:お見込みのとおり。

 

Q2:グループホームにおける入院時支援特別加算及び長期入院時支援特別加算については、具体的にどのような取扱いになるのか。

A2: 入院時支援特別加算及び長期入院等支援時支援特別加算については、各月ごとに算定する加算を選択し、算定するものとする。
(例)入院期間4月1日~6月10日の場合(指定共同生活援助事業所の場合)

4月1日 入院・・・・所定単位数(本体報酬)を算定

2日~3日(2日間)・・・・加算算定対象外

4日~30日(27日間)・・・・1日につき122単位を算定

5月1日~2日(2日間)・・・・加算算定対象外

3日~31日(29日間)・・・・1日につき122単位を算定

6月1日~2日(2日間)・・・・加算算定対象外

3日~9日(7日間)・・・・1,122単位(1回/月)を算定

10日 退院・・・・所定単位数(本体報酬)を算定
※ 4月、5月は長期入院時支援特別加算を選択し、6月は入院時支援特別加算を選択した場合

 

※参照:厚生労働省Q&A https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/qa.html

 

 

■まとめ

加算コラム第4弾!「入院時支援特別加算・長期入院時支援特別加算」については、ご理解いただけましたでしょうか?

障がいの種別や程度によっては、共同生活援助(グループホーム)に入居した後に、利用者さんが入院してしまうケースも少なくありません。そんな時に、事業所として知っておくべき対応、その際に取得すべき加算についてはしっかりと把握をしておきましょう。

ただし、入院があまりにも長引いてしまい、グループホームへ戻ることが難しい利用者さんがいた場合、その対応策も考えておかなければなりません。事業の存続が他の利用者さんのためにも最優先すべき点ではありますので、事業所の存続を見据えて、入院時の規定を運営規定や契約書、重要事項説明書に記載して、あらかじめ了承を取っておくことも重要なポイントです。

 

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