今回は、加算コラム第1弾その②として、ほとんどの事業所が要件を満たすことができる、「夜間支援等体制加算」に注目して解説していきます!!
「加算コラム第1弾!!~夜間支援等体制加算①~」と併せてご覧いただけるとより理解が深まると思いますので、是非、そちらもチェックしてください!!
■夜間支援等体制加算とは?
グループホームを運営する障害福祉サービス事業者が取得できる加算です。
種類は加算Ⅰ〜Ⅵまであり、それぞれ取得要件が変わってきます。
加算Ⅳ~Ⅵは令和3年度報酬改定により新たに加わった加算で加算Ⅰを取得しているグループホームに取得要件を満たすことで上乗せして加算が取得できます。
■夜間支援等体制加算を取得するための届け出
- 勤務体制表
- 介護給付費等の算定係る体制等状況一覧表
- 共同生活援助に関わる付表
- 夜間支援等体制加算の届け出様式
- 運営規定(夜間支援等体制加算Ⅲを算定する場合、緊急時の連絡先や連絡方法について定める必要があります)
- 変更届出書(平均利用者数が変更となる場合)
■配置等を変更する際は届け出が必要?
類型(Ⅰ~Ⅲ)を変更する場合はもちろん必要となりますが、夜間支援等体制加算Ⅰ・Ⅱに関しては、
- 夜間の職員を2棟兼務で配置していたがより手厚い支援を必要とする利用者が入居となったため職員を各棟配置とする
- 夜間の職員を各棟配置をしていたが、人員の確保が困難となったため、各棟配置から2棟兼務とする
上記のように、利用者に対する配置職員の割合が変化する場合でも、変更届が必要となります。
複数のパターンの届でが認められている場合は、最初にいくつかのパターンの届け出を出しておくといいですね!
届出をせずに現場の人員体制を変更してしまうと、行政が把握している体制と請求の体制に齟齬が出てしまい、その請求が認められず、受理されません。
必ず、体制が変更となる場合は、届け出をしましょう。
また、加算に係る変更届は、変更をする前月の15日までに提出しないと、希望する変更日から内容を変更することができない場合があります。ここに関する締め切りは、グループホームを運営する地域の指定権限を持つ行政が設定しておりますので、必ず、締め切り等のスケジュール感は把握しておきましょう。
■平均利用者数の見直しのタイミング
夜間支援等体制加算の加算額に影響する、平均利用者数の見直しはどのタイミングで行えば良いのでしょうか?
また、なぜ、見直しが必要になるのでしょうか?
開設から6か月後~11か月後
直近6か月間の利用者数を算出し、開所日数で割って、1日当たりの平均利用者数を算出
届出している平均利用者数と、上記の方法で算出した平均利用者数の数が変更となったタイミングで変更届を提出
開設から12か月後~
直近12か月間の利用者数を算出し、開所日数で割って、1日当たりの平均利用者数を算出
届出の数字が、変更されたタイミングで変更届を提出
1年以上運営している場合は、年度ごとの見直し
年度初めに、体制届の変更がある場合、提出するよう求められます。
その際に、直近12か月間の利用者数を算出し、開所日数で割って、1日当たりの平均利用者数を算出
平均利用者数見直しが重要な訳
障害者グループホームは、最初の届け出の際は実績がないため、グループホームの定員数×90%の数を平均利用者数と設定して、届け出を行います。
例えば、4名定員のグループホームを開設した際には、4人×90%=3.6人が毎日利用していたとして、平均利用者数3.6人とみなされ、小数点以下は四捨五入されますので、毎日4人が障害者グループホームを利用していたものとして、届け出を提出します。
それが、半年たつと、直近6か月間で実際に利用した人数を平均利用者数として届け出ることができるのです。
事業を始めたばかりですと、なかなか利用者数が増えず、困っている方も多いのではないでしょうか?
例)半年間運営したが、2名しか入居がなかった。Aさんは開設月の8月1日から入居、Bさんは開設した次月の9月1日から入居、と仮定した場合
Aさん:184日
Bさん:153日
開所日数:184日(8月1日~1月31日)
となり、直近平均利用者数は、(184+153)÷184=1.83となり、小数点以下を四捨五入すると、平均利用者数は2人とみなされます。
そうすると、今まで通り夜間に人員を配置したとなると、4人の利用者に対して1人の夜間支援員を配置するよりも、2人の利用者に対して1人の夜間支援員を配置したほうが、より手厚い支援を提供しているとみなされ、夜間支援等体制加算の報酬額が高く設定されております。
その分、事業所としての報酬がプラスとなりますので、平均利用者数の定期的な見直しが重要となるのです。
※指定権者によって、平均利用者数の算出方法が2パターン存在します。
- 利用者が外出でグループホームにいなかった場合も、利用契約を結んでいる期間内であればグループホームいたものとして利用人数を算出
- 夜間に関する平均利用者数であれば夜間帯に利用者がいたかどうかで利用日数を算出
上記2パターンに関しては、エリアによって、考え方が異なります。この点の解釈は、厚生労働省ではなく、各指定権者に委ねているとされておりますので、ご自身のグループホームが開設されているエリアの指定権者にカウント方法を確認しましょう。
また、加算に関する届け出は、前月の15日までに提出しなさいとする指定権者がほとんどです。その場合、下記のようなタイミングで見直しをして届出を出すには、2023/12/15までに変更届を出す必要があります。
例)2023/8/1開設➡2023/12/15までに変更届を提出➡2024/1/1から変更された人数にて夜間支援等体制加算の請求が可能
この場合、2023/12/15までは利用者数を実数で出せますが、2023/12/16以降の実数は変更届の提出までに把握することができません。このような場合、
- その半月の利用人数を、予想値で算出する
- 2024/2の請求まで変更ができない
等、指定権者によって、いくつかのパターンが存在します。こちらも判断が指定権者ごとに異なりますので、ご自身のグループホームが開設されているエリアの指定権者に確認しましょう。
■まとめ
加算コラム第1弾!「夜間支援等体制加算」については、ご理解いただけましたでしょうか?
どの事業所も、要件を満たせる可能性が非常に高い加算ですので、要件を満たしている場合は、必ず取得していくようにしましょう!
また、半年、1年、その後年度ごとの平均利用者数の見直しは、必ず行いましょう!場合によっては、夜間支援等体制加算の報酬単価が、大幅に変動し、事業所としての売上に大きく影響してきます。
この見直しに関して、指定権者の行政から、タイミングを見計らっての連絡は、来ないことがほとんどです。事業所としても損にならないよう、しっかりと、見直しのタイミングをスケジューリングし、平均利用者数の変更届けを提出していきましょう!!