共同生活援助のサービス内容は? これから開設するときの注意点も解説

コラム

共同生活援助のサービス

これから障害福祉サービスへの参入を考えている、または事業を拡大しようと考えている方のなかで「共同生活援助について知りたい」と思っている方、いませんか?
障害福祉サービスには複数の種類があり、共同生活援助のサービス内容を今一つよくわからない方も、いらっしゃるのではないかと思います。

当記事では、共同生活援助の主なサービス内容について、開設するときの注意点などを一緒にまとめてみます。

 

共同生活援助の概要

共同生活援助はグループホームとも呼ばれ、障害福祉サービスのなかでは「居住支援系」に位置づけられています。障害のある方が、アパートや一軒家など、他の利用者と少人数の共同生活を送るサービスです。(定員は原則10名以下ですが、一定の条件下では20名以下や30名以下に設定できます。)

■ 3つの運営形態

ひと口に共同生活援助といっても、サービスの特徴によって、3つの運営形態に分けられます。

<介護サービス包括型>

共同生活する上での相談や、食事/入浴排泄などの身体介助など、日常生活の上での必要な支援を行ったり、利用者の就労先や、日中活動先などの関係機関との連携しながらの支援も必要になってきます。
一番多い運営形態が、介護サービス包括型です。

<日中サービス支援型>

主として日中の時間帯もサポートが必要な方を対象とする、事業所となります。介護サービス包括型と同様に、共同生活する上での相談や、食事や入浴排泄などの身体介助、日常生活の上でのサポート。
平日と休日を問わず、1日を通して必要なケアを受けられ、且つ短期入所を併設し、緊急時の一時的な支援の場を提供するのが特徴です。

<外部サービス利用型>

最後は外部サービス利用型です。他の運営形態と異なるのが、食事/入浴排泄などの身体介助など支援は、外部のサービスに委託する形になるため、職員の配置時間が一番少なくなります。
その為、サービスを利用する方も、軽度の障害をお持ちの方の割合が多い傾向となっています。

■ 対象者

身体、知的、精神、の障害や難病患者の方であれば利用できます。

 

共同生活援助でおこなわれる主なサービス内容

共同生活援助では、具体的にどのようなサービスがおこなわれるのでしょうか?
主な内容は次の4つです。

<身体介助や生活面の援助>

介護サービス包括型と日中サービス支援型では、障害のある方の身体介助などもおこないます。一人ひとりの身体状態や障害の程度に合わせて、食事や排泄、入浴、着替え、移乗などの支援を実施。重度の方が多いところでは、身体介助の割合が多くなるでしょう。

また運営形態を問わず食事の提供・掃除・洗濯などの家事、重度の方の金銭管理といった生活面の援助もサービス内容に含まれています。

<日常生活に関するアドバイス>

日常生活に関するアドバイスも、サービス内容のひとつです。たとえば、軽度の知的障害がある方は、就労先の人間関係で悩んでいるかもしれません。 また精神障害がある方は、体調が安定せず、不安を抱えるときもあるでしょう。

一人ひとりがスムーズに生活できるような、支援が必要となります。

<緊急時の対応>

急な体調変化やケガ、行方不明、火事、地震などの緊急事態が発生したときは、状況に応じた支援を行います。 その為、対応方法や連絡先などをマニュアル化しているのが通常です。

<関係機関との連絡・調整>

最後は関係機関との連絡や調整です。共同生活援助以外にも日中の通所先や就労先、相談支援事業所、主治医、行政などさまざまな機関が関わっています。

状況に応じて、各関係機関とやり取りは、支援する上で必要不可欠です。

 

関係機関との連絡

これから共同生活援助を開設するときの注意点

これから共同生活援助を開設するときは、特に以下で述べる3つの注意点を理解しておきましょう。

■ 運営基準を把握する

運営基準は、最低限理解しておくことが重要です。人員配置基準、設備基準、運営基準、それ以外に地域によってローカルルールも存在します。この内容は、開設前の届出作成する上でも、必要な情報になってきます。基本部分を理解せず、運営する事で、大きな事故や、最悪事業停止にまでつながる可能性があります。

■ 運営資金の採算

どの具合の資金が必要になるのかの予測も必要です。運営開始しても、すぐに利用者が入るとは限りません。 どこぐらいに人数が利用する事で、収支がどう動くかを把握しておきましょう。 せっかく開設しても、資金が無くては継続して運営はできません。

■ 協力医療機関を早めに探しておく

法人格の取得や物件選び、スタッフの採用など、開設に向けてやるべきことはたくさんありますが、時間がかかると思われるのが、協力医療機関見つけることです。共同生活援助を開設するためには、連携して頂ける協力医療機関が必要となりますので、開設することが決まった段階で早めに探し始めましょう。

 

まとめ

共同生活援助はグループホームとも呼ばれており、障害のある方が少人数で共同生活を送る住まいです。運営形態によってサービス内容が異なるものの、住み慣れた土地で安心して暮らせる空間となるように、ひとの支援が必要です。

今回紹介したポイントは、最低限の内容です。条件などに関しては、市町村のHPなどにも掲載されておりますので、一度は目を通して理解しておくことが、開設後の運営にも確実に影響してきます。